Monthly Archives: 11月 2016

途中経過と完成作品

時々、映像作品のシナリオや絵コンテが本になり、出版されることがありますね。以前は、わざわざこれを買う必要があるのかしら、と思っていました。しかし友人に借りてそれを読んだ時、これは映像とはまるで違うのだと気が付いたのです。たとえばシナリオならば、当然、同じ言葉が書かれています。しかしそのすべてを、きちんと耳で聞いているのかといえば、必ずしもそうとは限りませんよね。登場人物の表情や、声以外の音などに気をとられる場面もあるからです。
そして絵コンテの場合は、もうまるで別物としか言えません。それはそうですよね。絵コンテというのは、いわば下書きのようなもの。ここがスタートで、完成に近づいていくのですから。はっきり言えば、プロの世界を知らない私には、雑なお絵かきにも見えます。でも逆に、大雑把だからこそ、関わる方たちの苦労が想像できるのです。私達の目に入る完成版が、とても愛おしく、大切なものにも思えます。
残念ながら、それらの本が出版されるのは限られた作品だけですから、いつも手に入るものではないでしょう。しかし機会があったら、一度見てみる価値はあると思います。私はある意味、カルチャーショックを味わえました。

過去と今が生み出す未来

いつだったか、テレビに出ていた俳優さんが、自分の出てきた作品は全て録画して保存してある、と言っていました。その方はもう結構な年齢の方でしたから、きっと相当な分量になっていることでしょう。それを全部、と思うと、その方のプロ根性を尊敬せざるを得ません。おそらくは、自分の演技や発言を見て、ひとりで反省会を開いているだろうからです。
私の好きな漫画家さんも、押入れの奥には、今まで描いてきた原稿がすべて保存してあると言っていましたね。もうコミックスになっているのだから、元になったものはいらないのではないかという気がするのですが、それはあくまで素人考えなのでしょう。自分が歩いてきた仕事の足跡は、誰だって大事ですもの。ちなみにその人は、時々ひっぱりだしては、過去の自分にあったものや、今成長している事柄について考えているそうです。こちらも、向学心に満ちていますね。
俳優や漫画家など、いわゆる物事を生み出す人達は、このような上昇志向があるからこそ、より素晴らしい演技ができたり、素敵な作品が描けたりするのでしょう。私も日々、ある程度頑張ってはいるつもりですが、平々凡々に生活をしているだけではなく、ぜひ見習わなくてはと思いました。

コミック誌のはがきを求め

好きな漫画家さんの作品が、久しぶりに月刊誌に掲載されたと聞き、さっそくその雑誌を購入しました。すぐに読みたかったので、電子書籍です。ただ、いざ読み終えて「ああ面白かった」とアンケートを送ろうとしたところで、はたと気付きました。紙の雑誌ならば、切り取って、切手を貼れば送れるはがきがついているのに、電子版にはないんです。「これじゃ漫画家さんを応援できない」とだいぶ焦りましたが、冷静に考えれば、データにはがきがついていても、意味がないですよね。
 この出来事を友人に話したら、思い切り笑われてしまいました。あまりにも悔しかったので、今度からは必ず事前に情報をチェックして、最寄りの書店で売り切れてしまう前に、しっかりと紙のものを買おうと思います。保存などはデータの方が楽ですが、やっぱり気ままに読むには、紙媒体の方が便利な気がするのですよ。読了後は気になったところだけ切り取って、あとは廃品回収に出してしまえば、スペースもそんなに取りませんしね。自分はアナログ人間だなあと思っていたら、友達が「大丈夫、私もそうだから」ですって。ちなみに彼女はクローゼットに、手放しきれない雑誌がつまっているのだそうです。似た者同士、ですね。