読書で心洗われる時

ふと、私が初めて感涙した本は何だろうなあ、と考えています。子供の頃は、それほど涙は流しませんでした。たぶん学生時代も、面白いとわくわくする気持ちが先に立っていたでしょう。しかし今は、何気ない日常の場面でも、目頭が熱くなってしまうことがあるんですよね。これが年齢を重ねるということでしょうか。
最近一番泣いたのは、家族の食事のシーンでした。普通に食卓を囲んでいて、特に嬉しいことも悲しいこともない、淡々とした時間です。前後で悲しいストーリーがあるわけでもないのに、とても感動してしまって……もしかしたら私、疲れているのかもしれませんね。ここは一度、ぜったいに笑えるコメディ路線の漫画を手に取るべきでしょうか。
ただ、どんな感情にしても、本から感じとることができる、というのは素晴らしいと思います。だって泣けば心が洗われた気がしますし、笑えば活力が生まれます。怒りや悲しみはたいていその場限り、その後の山場のシーンへの途中のことが多いので、最終的には感動や喜びに変わりますからね。深く考える必要は、あまりありません。ひとりの時にこそ、読書で気持ちを発散させて、皆の前では、いつでも落ち着いた自分でいられるのが理想です。

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