現実が伝説になる時

文豪や作曲家、画家など有名な方の没後数十年、あるいは数百年には、イベントが企画されたり、作品が新たに注目されることが多いですよね。昔から、そのような時期に組まれるテレビ特番が大好きです。その理由を考えたことはなかったのですが、先日、図書館で偉人伝を探していた時に、はっと気づきました。私はひとりの人の人生を、深く見るのが好きなのです。
たとえば遠い昔に生きた方の作品が、現代にも残っているのはすごいこと。芸術だけではなく、家屋や料理、景観などにも同じことが言えるでしょう。ただ私はそれを見ると必ず、そこには誰が住んでいたのか、どうやってそのレシピを思いついたのか、この景色はいつから変わりないのか、といったいわゆる背景が気になります。それを知らなくても、目の前にあるものの美しさや美味しさを受け入れることはできますが、知っていればこそ、より深く感じるものがあるとも思うのです。
没後何百年もお祝いされる人達は、たとえば千年たっても、何かが企画されるのかしら。そんなことを考えつつ、そうなるともはや伝説上の人物に近いものがあるなあと思いました。作品が残っているから、存在が明らかになるような遠い人と言うと、とてもかっこいいですね。

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