再スタートは特別ではない日に

子供の頃、誕生日とお正月が大好きでした。ケーキが食べられて、プレゼントやお年玉が貰えるからというのもありましたが、それより「ここから新しい一年が始まるんだ」ということにうきうきしたものです。とくにお正月は、もう社会全体がそんなムードですからね。カレンダーも干支も、テレビ番組も新しくなります。すべてがゼロに帰ると思っていました。
しかし大人になった今は、そうは思いません。どんな時でも夜に眠って朝に目覚め、自分が決めたことを繰り返す……なんらかの節目を超えたからといっていきなり、あらゆるものが入れ替わることはないと知ったのです。本来、時は切れ目なく過ぎていくのですから、それこそが当たり前のことなのですよね。それに、特別な再スタートがないということは、自分の気持ち次第でいつでも新しいことができる、ということでもあります。年齢も時間も関係なく、心ひとつでいいのです。なんて素晴らしいことでしょう。
今は、お正月も誕生日もあえて特別と意識せずに、当たり前の一日として過ごしています。
変わらぬ穏やかな時間を大切にしながら生活し、年をとって暮らしのスタイルが変わったら、のんびり読書をして過ごす……そんな生活が夢です。

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