Category Archives: 立ち止まる

近隣最後の書店のために

本好きの知人と、とある出版社の新刊がなかなか書店で見つけられない理由について話をしました。私より長くそのシリーズを愛している彼女曰く、置かれている期間がとても短い場合が多い、とのこと。しかも入荷する冊数も少ないのですって。だから、出版日に買いに行くくらいでないと購入は難しい、と言っていましたね。そうやって回転を早くしているということでしょうか。
でも忙しい時もありますから、必ずしも、発売日当日に買いに行けるとは限らないのが、大人の辛いところです。そうなるとつい、インターネットで購入、ということになってしまいます。もちろんそれもいいのですよ。ただ最近、近所の書店が続けて閉鎖してしまったので、地元にお金を落としたいなあと考えたりもするのです。私は夢中になると、それだけを集めてしまうタイプなので……どうしたものでしょうね。
と、そこまで考えて、はたと気付きました。事前に予約をすればいいのですよね。買いたい人がいるとわかれば、お店も、その分をとって置いてくれるでしょう。よし、今度からそうしよう!と思い至り、気分がいっきに明るくなりました。何十分もかけずに行ける、最後の砦。ぜひ、生き残ってほしいのです。

ひとりくつろぐ老婦人

先日出掛けたカフェで、美しい老婦人を見ました。いかにも上品な丈の短いジャケットにロングスカートを着た彼女は、隅の席でコーヒーを飲みながら、文庫本を読んでいました。若者がいっぱいの店内です。誰かと待ち合わせかしら。それともここのコーヒーを飲みに来たのかな。美味しいって有名だから、気持ちはわからなくもないな、と想像は広がります。
私はココアを飲みながら、失礼かと思いつつも、婦人を観察し続け……気付いたのです。彼女の持っている布製のポーチと、ブックカバーに、お揃いの記事が使われていることに。お手製でしょうか。それともセット購入?薄い紫の布地に、小さな花の刺繍が施されたそれは、ずいぶん手がかかっていそうに見えました。あんな綺麗なものを愛用できるなんて、羨ましい限りです。
それから十五分ほどたった頃でしょうか。ついに老婦人が立ち上がりました。そうか、ひとりでくつろぎに来たのかと納得していたら「おばあちゃん、待った?」と聞こえる子供の声。お孫さんと待ち合わせだったのですね。いかにも悪戯盛りの年齢の男の子が、おばあちゃんに抱き付きます。その時の彼女の顔は満面の笑みで、読書中の静けさはなくなっていました。ずいぶんと素敵なものを見せていただきました。

店舗それぞれブックカバー

書店のレジで「文庫本にカバーをおかけしますか」と聞かれて断ったら「ありがとうございます」と言われました。以前はつけることが当たり前のようになっていましたが、いったいいつからこう変わったのでしょう。私は基本的に、汚れなどほとんど気にせずそのまま読むで、お店の物は必要ありません。しかし同行の友人は、購入した物すべてにしっかりつけてもらっていました。
省エネという意味では、おそらく断ったほうがいいのでしょうね。でもあのカバーって、本当はとても面白いのですよ。なにせ、店によってデザインが違いますから。かつて祖父は、それを何十枚も集めて楽しんでいました。子供の頃の話ですが、父が遊びに行くと、絶対に遠くの本屋に連れて行ってと言うんですよ。もちろんカバーのためです。他には、他県に住んでいる親戚が尋ねてきたときに、そちらの店のものを分けてもらっていたこともありました。
他には、古い切符やちょうちん、扇子などもコレクションしていましたね。紙の物が好きだったのかしら。ちなみにそれは祖父がなくなった時にそっくり、伯父さんが貰って行きました。今もきっと、リビングを飾っていることでしょう。

読書で心洗われる時

ふと、私が初めて感涙した本は何だろうなあ、と考えています。子供の頃は、それほど涙は流しませんでした。たぶん学生時代も、面白いとわくわくする気持ちが先に立っていたでしょう。しかし今は、何気ない日常の場面でも、目頭が熱くなってしまうことがあるんですよね。これが年齢を重ねるということでしょうか。
最近一番泣いたのは、家族の食事のシーンでした。普通に食卓を囲んでいて、特に嬉しいことも悲しいこともない、淡々とした時間です。前後で悲しいストーリーがあるわけでもないのに、とても感動してしまって……もしかしたら私、疲れているのかもしれませんね。ここは一度、ぜったいに笑えるコメディ路線の漫画を手に取るべきでしょうか。
ただ、どんな感情にしても、本から感じとることができる、というのは素晴らしいと思います。だって泣けば心が洗われた気がしますし、笑えば活力が生まれます。怒りや悲しみはたいていその場限り、その後の山場のシーンへの途中のことが多いので、最終的には感動や喜びに変わりますからね。深く考える必要は、あまりありません。ひとりの時にこそ、読書で気持ちを発散させて、皆の前では、いつでも落ち着いた自分でいられるのが理想です。

求める出会いは偶然と必然

冬から春、夏から秋へと季節が変わる頃、友人はたいてい不調になります。今までは特に深く考えず、季節の変わり目だから仕方ないのだろうと思っていたのですが、これは不安定な気候によって、自律神経が乱れてしまうことが原因らしいですね。どうりで、毎日不具合が出る部位が変わると思っていました。
ちなみにこれは、インターネットをぼんやり眺めていた時に、見つけた記事です。時間泥棒のネットサーフィンですが、偶然面白いことや興味深い話題を見られると、嬉しくなりますね。先日は「食べ物、エッセイ」で検索して、お勧めのエッセイの情報を集めました。明日の食事は何にしようとレシピ本を眺めていたら、不意に読みたくなったのです。
うちにある方の新刊を探して買えば、面白いのは間違いないのですが、新しい味を読んでみたかったのですよね。あれこれ情報を集めているつもりでも、やっぱり好みは偏りますから、こうして時々、意識して違うものを求めるのも大切だと思っています。近々友達に会う約束をしているので、その時に「最近面白い本読んだ?」と聞いてみるのもいいですね。自律神経はストレスとも関係しているらしいので、素敵な作品に出会えれば、一年中いつでも幸せで、元気でいられるかもしれません。

電子書籍、読まずに学んだのは我慢

近所のスーパーで、ビンゴになっているスタンプを集めてどこかのラインを揃えると、該当のものが貰えるというキャンペーンをする時があります。「ここのマスを揃えたい」と思ったら、そのスタンプが貰える日にちに、お店を訪れなければいけないわけです。これは簡単なようで案外難しく、いつもつい、真剣に予定を組んでしまいます。そんなことが先日、電子書籍サイトでも起こりました。
そこも同じようにスタンプを集めるのですが、これがなかなか曲者なのですよ。サイトを見る時間を作るのが、ではありません。そのページを見るとつい新刊をチェックしてしまい、予定にはなかった本を購入してしまうのです。もちろん、運営側はそれが狙いなのでしょう。しかしお小遣いが有限の私からすれば、なかなかに大変な問題です。
もちろん、買ったらしっかり楽しめますから、それはそれでいいのですが、その後の暮らしが……と考えると、思わずため息も漏れそうです。要は自制心のない自分がいけないということですね。これを機に、生活は節約を、心は我慢を覚えましょう。電子書籍のサイトで、まさかこんなことを学ぶ事になろうとは思いませんでした。なんでも自分の糧、勉強になりますね。

気分は高揚、体はダウン?

この間「久しぶりに予定のない休日だ」と喜んでいた友人は、なんとその日のうちに三本の映画を見たそうです。一本二時間だとしても、合計で六時間、椅子に座りっぱなしですよ。私だったら、肩はバキバキ、お尻も痛くなってしまうだろうなあ。いくら最近は座り心地が良くなっているとは言っても、私は二本が限界なのです。それでも翌日なぜか、筋肉痛になったのですが。
ただ、見ている最中は集中しているから、こういった苦痛には気付きません。エンドロールが終わり「ああ面白かった」と立ち上がろうとしたところで、体の節々がおかしくなっていることがわかるのです。曲げっぱなしだった膝がぱきん!と初めて鳴った時は、自分も年をとったなあなんて思ってしまいましたよ。そして、重くなってしまった体を引きずるようにして、館内の階段を進み、屋外へ。人気作品なら人が一杯なので無理ですけれど、そうでなければ、そこでやっと一息つく、という感じです。
あらためて文字にして見ると、なんだか自分が疲れているような気がしてきました。楽しい映画を見て気持ちは高揚していても、体が追い付かないような。これはいけませんね。もうちょっと体力をつけて、体もうきうきさせてあげなければ。

雑誌を飾るための工夫

最近、本棚の上に素敵な表紙の雑誌を立てかけて、目の保養をしています。朝起きた時にすぐ視界に入る位置なので、一日がとても気分よく始められて、これはいい案だったなあと自画自賛しているのですよ。ただ問題は、雑誌がだんだんくったりと曲がってしまうことですね。定期的に入れ替えてはいるのですが、このいびつな形状が癖になってしまったらどうしようかと少々心配でもあります。
ただそれを友人に言ったところあっさりと「補強すればいいじゃない」と言われました。硬い板をあてる、なんて。どうしてこんな簡単なことに思い至らなかったのでしょう。とりあえず家にある段ボールを雑誌サイズより少し大きく切って、下の部分を折り曲げて立てかけても倒れないように工夫したものを作ってみましたが、確かに、何もない時よりは良い感じです。あとはこれをもっと綺麗に作れば、お客さんが来た時でも、おかしなことにがならないでしょう。お金を使うのも惜しいので、早速家の中の材料を物色です。
日常生活は、こうした少しの工夫で、楽しくなっていくものだと実感しました。これはこういうもの、仕方ないと思いながらも、他にも気になっているところはたくさんあるし、自分でどうにかしてみましょうか。

涙を流して心を洗おう

本を読む気にもなれず、テレビをつけても流しているだけ。それなのに気持ちがいらいらして落ち着かない時、「耳が痛くならないくらいの音量で、ヘッドフォンをして音楽を聞くと、ストレス解消になるよ」そう教えてくれたのは、友人でした。以来私は、自分が疲れているなと感じると、そのようにしています。
そうすると不思議なもので、ぼろぼろと涙がこぼれるのですよ。毎日スピーカーで聞いているのと同じ曲なのに、何か違うものを感じ取るのでしょうか。それとも、作業をしながら聞くのではなく、その曲だけに集中して、耳を傾けるというのがいいのかしら。理由はよくわかりませんが、ずいぶんすっきりできるのは確かです。
私の場合は、音楽のジャンルにはこだわらず、その時に夢中になっているものを選ぶので、フォークやジャズ、ロックなど様々です。ただ友人はバラード調がいいと言いましたし、別の子は、感情が爆発するような激しいものがいいということでした。まさに人それぞれですが、共通しているのは、皆、なぜか気付くと泣いてしまっているということ。毎日繰り返しの日常の中でも、胸に溜まるものがあるのでしょう。この方法で癒されて、また明日も頑張ることができればなあと思います。

古書から発見の定番品

久しぶりに古書店に行ったら、カウンターの横にしおりが置いてありました。いわゆる「ご自由にお取りください」というものです。おそらく、買い取りの本の中に挟まっていたものなのでしょう。出版社も新旧も様々で、ちらっと見えたものはだいぶ古そうでした。
これは確かにお店のお客さんにとっては便利だと思うのですが、私としてはちょっと残念なのですよね。古本を購入した時に「こんな懐かしいしおりが挟まっていた」「この宣伝、ずいぶん昔のものだなあ」と驚くのが楽しみでもあるからです。時には購入時のチェック漏れなのか、メモ用紙が挟まっていることもあります。一度などは、割りばしの袋が入っていましたよ。思わず笑ってしまいました。
これは自室の本棚で長く保管しているものにも、同じことが言えます。なくしたと思っていたしおりや、だいぶ昔のレシートなど。付箋が貼りっぱなしの時は、ページにすっかりくっついてしまっていて、とるのが大変でした。定番……と言えるかはわかりませんが、あってもおかしくない、へそくりの発見は、過去に一度だけありましたよ。祖父の書棚を片付けた時のことです。本当にこんなところにお金を隠すのか、とこれも笑ってしまったことを覚えています。