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ホンモノとニセモノと

今読んでいる書籍に興味深いことが書かれています。古道具屋は本物と偽物を区別するために毎日本物だけを見る修行をするそうです。何年も修行を続けることで偽物をひと目で判別できるようになるとのことでした。
これを読んだ時、「古道具屋の修行」は生きてゆくなかでいい知恵となると思いました。現代社会は便利なため、知りたい情報を簡単に得ることができます。そのため本当にそれが必要なのかどうか分からなくなることがあるものです。時には溢れすぎている情報の真意を疑うことも少なくありません。そのため「古道具屋の修行」を頭に置いておくと、本当に必要なことを得ることができるのではないかと思うのです。しかしながら形として捉えることができないものほど「偽」を判断することは難しくなります。そのため自分の中にある直感やセンスを磨くことが大切なのではないかと感じるのです。それらを磨くためには、少々痛手を負いながら経験から学ぶのがよい手段のかもしれません。経験値を踏む事で目は肥えてゆくと思うからです。
また人間関係を形成するなかで「人を見る目を持つ」ことは重要なことです。それは他者を疑うことや損得を考えるということではありません。良き出会いを紡ぐことは豊かな人生を送るためのエッセンスです。そして信頼できる友達を持つこと、お互い良い影響を与え合える関係を保つためには、まず自らが健全であることが大切だと思います。
類は友を呼ぶという言葉もある通り、人間関係は自らが呼び作ってゆくものです。また周囲の環境も自らが働きかけて形成しているものなのです。良質な心と鋭い感覚を持つためにも、ぶれない心髄を持つ努力をしてゆきたいものです。それが「ホンモノ」を知るためのキーポイントだと感じるからです。

夕餉の時間帯が好きです

私が好きな言葉に「夕餉」があります。これは「晩ご飯」を意味する言葉で、何とも言えず味がある響きに心惹かれます。なぜこんなにも胸に響くかというと以前女性作家が書いた随筆を読んだからかもしれません。夕方にスーパーや商店街に行くと、その日の晩御飯のために買い物をする人々の姿を目にします。買い物かごや手に取っている材料を目にすることで、その家庭の献立を想像することが出来るのは興味深いものです。また生活している姿がそこにあることをとても微笑ましく感じます。随筆を手掛けた女性作家も夕方のスーパーで買い物をすることを好んでいるようで、買い物かごを手に献立を考えながら商品を選んでいる光景が印象深いと書かれていました。確かに目の前を歩く人の籠の中ににんじんやじゃがいも、豚肉などが入っていたら「今日の晩御飯はカレーかしら」と思うものです。そこからイマジネーションを膨らませて、どんなルーで作るのか、辛口か甘口かなどを考えるのもなかなか楽しいことです。
日々の生活で無くてはならない食事の時間をどんな風に過ごすかはそれぞれ異なるものです。一人であったり、家族と供に過ごしたりとまちまちですが、美味しい時間を過ごしたいと願うことはみんな同じだと思います。これからも夕刻に食材を買い物する時は、これから食べるものを考えることや買い物する人々の姿を目にしながらワクワクする時間を過ごせたら素敵だと思うのでした。