生原稿の市場価値

記念館に、有名人の日常品や手紙などが飾られていることがありますよね。私は今までそれをただ「すごいなあ、これが誰々が使っていたものか」などと見ていたのですが、ふと「もしこれを買うのなら、いくらくらいだろう」と思いました。著名なあの人が使っていたとわかると、付加価値がつくこともあるのだと聞いたことがあります。たとえば文豪の生原稿とか、何十万のレベルではないですよね?
そもそも記念館というくらいですから、おそらくは寄付で成り立っている気はするのですが、それにしても、市場価値を考えると恐ろしいです。ただそういう目で見てしまうと、最初の「誰々のものだからすごい」という感動が、金額面での驚きにすり替わってしまう気がします。それはそれで、わかりやすいびっくりではありますけれどね。
そういえば以前芸能人の方も「将来僕が有名になれば、百年後とかにすごい額で売れるかもしれない」と言いながらサインをしていました。冗談半分の言葉だとは思いますが、これも、先ほどの市場価値の話につながるのですね。自分はもうおそらく生きていない未来で、当たり前に使っていた物や友人に書いた手紙などに、素晴らしい価格がついているなんて知ったら、昔の著名人たちはどう思うのでしょう。

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