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おばあちゃんと読書

私が読書を好きになったきっかけは、おばあちゃんの存在でした。幼い頃、実家の縁側にはいつも柔らかな日差しが差し込み、そこに座ったおばあちゃんが静かに本を読んでいる姿があったんです。
背筋を伸ばし、時折うなずきながらページをめくるその様子は、とても穏やかで、今でも心に残っています。

おばあちゃんは流行の本よりも、昔からある小説や随筆を好んでいました。「本には、その人の生き方がにじむのよ」と優しく言いながら、私にも本を手渡してくれます。
難しい漢字が多くて途中で眠くなってしまうこともありましたが、おばあちゃんは急かすことなく、「わからなくても、感じるだけでいいの」と微笑んでくれました。その言葉に、読書は勉強ではなく、心で味わうものなのだと教えられた気がします。

成長してからも、本を開くたびにおばあちゃんの声や手の温もりを思い出すのです。ページをめくる音や、物語に没頭する静かな時間は、あの頃と変わらず私を落ち着かせてくれました。
今はもう一緒に本を読むことはできませんが、読書を通しておばあちゃんと心で会話しているような、そんな温かな気持ちになります。読書は私にとって、おばあちゃんから受け取った大切な贈り物です。