手書き原稿の再現希望

学生時代の頃、文豪の生原稿を見たことがあります。どなたのものかは忘れてしまったのですが、修正の書き込みがとても多くごちゃごちゃしていて、字はそれほどきれいではありませんでした。ただ説明を見て「これがあの人の原稿か!」と皆で感動したことは覚えています。
パソコンなど当然ない当時は、当然編集者があの文字を判読していたんですよね。漢字の崩し方はすごいし、ひらがなもずいぶん省略されていたので、読むのは大変なことでしょう。彼らも「これはあの先生が書いたものだから、大事にしなくては」などと、熱意を持って取り組んだのかしら。そのおかげで本として残り、私たちは印字された読みやすい文字で読むことができるのですから、感謝しないといけませんね。
ただ手書き原稿が残っているなら、あえてそれをそのまま本にしても面白そうだなあとは思います。もちろん価値があるものだから、かなり難しいだろうことはわかっていますよ。ただそれでも復元という形で……なんて、贅沢かしら。読める気はしないので、コレクター魂が現れているだけですけれどね。読みやすい文字は本当にありがたいのだけれど、人柄を見て親しみを感じるのならば、やっぱり手書きが一番だと思います。

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