若者は未来を語るの実像

子供の頃、祖父母が若い頃の話を繰り返すのが不思議でした。私と友人達の話題と言えば、昨日見たテレビについてや、今日の授業のことに関してで、たとえば去年どこかに遊びに行ったことなどは、会話に出る機会が少なかったからです。それを祖母に言うと彼女は「あんたも年をとったらわかるよ」と笑っていました。そして今、当時の祖母ほど年齢を重ねたわけではないけれども、それをちょっと実感しています。なぜなら「昔ね」と語り出した自分の話が、それこそ子供にしたら大昔、十年くらい前の話題ということもあるからです。
以前どこかで『若者は未来を語る』という文言を見たような気がするのですが、その逆で、年を重ねた人は過去を語る、ということなのかもしれません。思い返す時期が長いから、自然とそうなるのでしょうね。そして若者は、夢見る将来がいくらもあるから、きっとそれを信じて希望を口にできるのでしょう。
もちろんこれは、一定年齢以上の人が、未来を夢見ることがないと言いたいのではないのですよ。あくまで、そういう理屈なのだろうかという想像です。その証拠に私の祖父は、毎日やりたいことがいっぱいで、それこそ子供だった私よりも忙しくしていました。

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